古き良きパン屋

この町で人気のパン屋さんがあります。大通りに面した駐車場もいっぱいの、にぎわうパン屋さん。
しかし・・・その裏道に、謎のパン屋があるとの情報が・・・。
人気パン店のすぐ近く、細い道に小さい看板があり矢印が・・・。
パン屋としてやっているのか、ふつうの家なのかも分らない、しかし時々近所のおばあさんなどが買っているのを見る、という。
もしかしたら美味しいのかもしれない・・・と思い、行ってみたのがきっかけでヘビーユーザーになった地味な地味なパン屋さんがあります。

普通の家のような・・でも店のような・・・店内は、なんと食パンのみ。カレーパンなど小さいパンも5個くらい無造作に置かれている。
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え?これだけ?売り物??と思いつつ、カウンターには手書きの文字。110円~160円くらい。
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私はピンときました。昔テレビで東京の古ーいパン屋で、コッペパンのみ置いてあるパン屋というのを見たことがあったのです。お客が来るとコッペパンをさっと切れ目を入れて、ジャムならジャム、バターならバターをペッと塗ってハイっと渡す。それだけの、何十年もやっているパン屋の特集でした。
他にも、何かの雑誌の記事で、戦後お母さんがパン屋をやって女手一つで育てられた有名人の話が載っていてみたことがありました。戦後女の人の仕事はあまりない時代、お母さんはパン屋を始めたと。缶にあんことバターとジャムだけがあって、仕入れはコッペパンのみ。これがけっこう戦後のパン人気で学生に売れたとか。そのころパン食はおしゃれで、お弁当がパンというのはかっこ良かったそうですが、その人は毎日売れ残りのパンで飽きていたと書かれていました。売れのこらない様にうまくコッペパンを仕入れるのがコツなんだそうです。
その時は、東京だからこんな古い店も未だにやっていけるんだなあ~と感心してみていたのですが。
「これはもしやあれでは??」と予感がしました。

奥にある機械がパン切り機でした。呼んだら家の奥からおやじさん(おじいちゃん)が出てきました。
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ビンゴ~!さっそくあん生クリームを注文。そして始まった一連の作業。
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な、なんといううまさ・・・・。あんは甘すぎず、切っても中身がはみ出さない、でも足りなくもない、ちょうどっ良い量とバランスの生クリーム・・・。
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卵サンド、クリームミックス、アンバター、なんでも昔っぽい味がします。うまい・・・。体には悪いのかもしれないけれど(笑)
おばあちゃんが具合悪いから不定休、お爺さんの代でやるだけやって終わりと言っていました。
昔は手広くやっていたような気配でした。いろいろなパンの表彰状や機械がありましたから。
きっと昔は盛った時代があったんだなあと思います。
新しいパン屋が大通りにできて、今はひっそりと余生を送っているようなパン屋さん。
この町にいる間は通ってしまいそうです。



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