宮沢賢治のこと

中学高校くらいから宮沢賢治が好きでした。
今までも岡村孝子、みんなのうた、漢文、山頭火、さだまさしなど時々マイナーな話を勝手に書いていましたが、
今回は宮沢賢治を勝手にまとめたいと思います。

思えば一番初めに賢治を知ったのは子供のころ見ていた「六三四の剣」のアニメでした。
六三四君は岩手の出身だったので、話の中で「春と修羅」の一節が出てきて、子供心になんだか心にしみたのでした。

二番目の出会いはレンタルビデオ屋さんで初めて借りたビデオが「銀河鉄道の夜」だったことでした。宮沢賢治で有名なますむらひろしのネコ絵のアニメ化で、途中何度か眠りそうになりつつも不思議と面白いと思ったのでした。

その後、童話集も一通り読みましたが、一番好きだったのはやはり賢治の詩です。
そんなわけで、また勝手にベスト3をランキングしていきたいと思います。(宮沢賢治の詩の世界参照)

第3位
告別」です。
おまえのバスの三連音が・・・というやつです。
特に好きな部分は、
「すべての才や力や材というものは  ひとにとどまるものでない  ひとさへひとにとどまらぬ 」
「なぜならおれは すこしぐらいの仕事ができて そいつに腰をかけてるやうな そんな多数をいちばんいやにおもうのだ 」
という部分です。
賢治が教師を辞めるときに生徒たちに向けて言いたかった詩だということで、送る言葉としては結構厳しい内容です。賢治ってカトリのアッキさんみたいなところがあるなあ・・と思うんですが、
だいたい生徒たちは貧しい農家の息子で、本を読んだり、勉強したり、絵を描いたり、音楽を習ったりなんていうのは道楽で、とてもじゃないけどそんな余裕はないし必要ない、と思われていた状況です。でも賢治はそれでも、それだからこそ、生徒たちに勉強や文化にふれてほしい、世間で道楽といわれていることを諦めないでほしいと思ったのだと思います。
理想・・きれいごと・・と言われても仕方がないくらいの高い精神、これから人生を生きていく若い生徒たちに賢治が言いたかった厳しくも力強い激励だったんでしょうね。

第2位
稲作挿話」です。
あすこの田はねえ・・というやつです。
特に好きな部分は、
「これからの本当の勉強はねえ テニスをしながら商売の先生から義理で教わることでないんだ きみのようにさ 吹雪やわずかの仕事のひまで 泣きながら からだに刻んでいく勉強が まもなくぐんぐん強い芽をふいて どこまでのびるかわからない それがこれからのあたらしい学問のはじまりなんだ」
という部分です。
これは高校時代ずぶん感動したものでした。繰り返し呼んでは涙したものです。じ~ん
私は別に苦学生というわけではなかったですが、アッキさんとカトリのワンシーンのように、働きながら勉強をしている生徒への言葉が良かったですね。そうかー、泣きながらした勉強は、どこまでのびるか分からないのか~と思って励まされました。勉強は苦しい、でも学ぶことって楽しい。学生時代に読んだのでとくに感慨深かったです。

そして第1位は!
春と修羅」です。
う~ん、迷いましたが、やっぱり1位はこれですかね。
好きな部分は、
「いかりのにがさまた青さ 四月の気層のひかりの底を 唾(つばき)し はぎしりゆききする おれはひとりの修羅なのだ 」
「まことのことばはうしなわれ 雲はちぎれてそらをとぶ ああかがやきの四月の底を はぎしり燃えてゆききする おれはひとりの修羅なのだ 」
「まことのことばはここになく 修羅のなみだはつちにふる」
というところです。
六三四の剣で六三四君も読んだ詩です。賢治の詩の中でも特にわけが分からない詩と思われていそうですが、人気もある詩だと思います。
意味は分からないところも多いです。でも読んだ当時はすごく感動しました。
賢治の詩っていうのは難しい言葉がいっぱいでわけが分からないと言われていますが、実際そうですし、賢治自身もわけが分からないと言っています。でも詩っていうのはそれぞれの人がなんとなく味わえばいいものなので、そうしています。

この詩には、とにかく修羅(賢治)の青を感じます。澄み切った空の青でもありますし、ガスバーナーの炎のような静かに熱く燃える心の青でもあります。
「誠のこと」がないことに、歯ぎしりして怒り、涙して悔しがっている修羅は、青年賢治の世の中に対する思いにもつながっているはずです。青春という言葉があるように、春と修羅には澄んだ熱い思いを感じます。

私が愛読していたのは白凰社の宮沢賢治詩集でしたが、今はもう絶版です。
賢治の詩集はいろいろ出ていますが、ふりがながないものがとにかく多い
白凰社のものはふりがなつきだったのでとても良かったです。詩は音で楽しむものでもあるので、読み間違えると雰囲気変わってしまいますから、ちゃんとつけてほしいなあと思います。

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あと、以前にも書きましたが詩ではないけれど賢治の手紙の一説も好きなのでついでに書き留めておきます。風の中を自由に歩けるとか・・・ってやつです。

あなたがいろいろ思い出して書かれたようなことは
最早二度とできそうもありませんが
それに代わることはきっとやる積もりで
毎日やっきとなっております。
しかも心持ばかり焦って
つまずいてばかりいるような訳です。 
 私のこういう惨めな失敗はただもう今日の時代一般の
大きな病「慢」というものの一支流に
過って身を加えたことに原因します。
わずかばかりの才能とか、器量とか、身分とか財産とかいうものが、
何かじぶんのからだについたものででもあるかと思い、
自分の仕事を卑しみ、同輩を嘲り、
いまどこからかじぶんを
所謂社会の高みへ引き上げにくるものがあるように思い、
空想をのみ生活して却って完全な現在の生活をば味わうこともせず、
幾年かが空しく過ぎて、漸く自分の築いていた蜃気楼の消えるのを見ては、
ただもう人を怒り世間を憤り、
従って師友を失い憂悶病を得るといったような順序です。
あなたは賢いしこういう過りはなさらないでしょうが、
しかしなんと言っても時代が時代ですから充分にご戒心ください。
風の中を自由に歩けるとか、
はっきりした声で何時間も話ができるとか、
自分の兄弟のために何円かを手伝えるとかいうようなことは、
できないものから見れば神の業にも等しいものです。
そんなことはもう人間の当然の権利だなどという考えでは、
本気に観察した世界の実際と余り遠いものです。
どうか、今のご生活を大切にお護り下さい。
上のそらでなしに、しっかり落ちついて、
一時の感激や興奮を避け、楽しめるものは楽しみ、
苦しまなければならないものは苦しんで生きていきましょう。

いろいろ生意気なことを書きました。病苦に免じて赦してください。
それでも今年は心配したようでなしに作もよくて、
実にお互い心強いではありませんか。
また―書きます。

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No title

ねっつんさんこんばんは。

宮沢賢治ですか自分は「銀河鉄道の夜」位ですね。
「六三四の剣」は原作は読んでました(^-^

そういえばブロともこちらから申請したのに
削除してしまい申し訳ない。
自分のブロともも削除して構いません。

これからもよろしくお願いしますね。

No title

>はぎさん

こんばんは~。(^^)
「銀河鉄道の夜」は見るたびに眠ってしまいそうになるんですが、とても好きな映画です。猫がいいんですよね。
私は「六三四の剣」はアニメで見た後、何年か後に原作を読んだのですが、そのとき改めて宮沢賢治の詩が好きになってしまいました。

私もブロトモは最近人に教えてもらってやっと一覧を作成できたんですが、いまだに仕組みは良く分からないでいます(笑)
スペースがにぎやかになりますし、こちらはそのまま置かせていただこうと思います。よろしくです~。

No title

確かにはっきり何を言いたいのか分からないけど・・・
なんとなく静かな情熱を感じますねぇ。。。
なんとなく分かるところがいいんでしょうねぇ。。。
全く分からないことはつまらないけど、完全に分かることもつまらないですから。
多くの皆さんが入ってる宗教を人間社会教と呼ぶことにしましたが、
賢治も洗脳されきらなかった、野性タイプでしょうね。

No title

>usakoさん

お!賢治さんにもコメントありがとうございます\(^^)/
そうですね、詩の本のあとがきで解釈が付いてたりするんですが、「実はかかる詩から受けるイメージは自由であっていいのである。しょせん人は詩の中におのれを読む」と書いてありました。ほんとにそうだと思います。
いわゆる世間一般の人をAタイプだとすれば、賢治はBタイプだったでしょうね。自分の頭で物事を考えるBタイプには苦労も多い世の中ですが、そういう人はやっぱり魅力的ですよね。i-228
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