山頭火のこと

山頭火句集〈1〉 (山頭火文庫)
山頭火句集〈1〉 (山頭火文庫)
種田 山頭火

例によってまた地味な話になりますが・・・山頭火の句が好きです。
一番初めに知ったのは学校の授業で、分け入っても分け入っても青い山 というのと、すべってころんで山がひっそり というのを習ってああ、いいな~と思ったのでした。
数年後友人の家で本棚にこの山頭火句集1があるのを見つけて、借りて読んですごくいいなあと思いました。この春陽堂の句集は読みやすいし安いし、おすすめです。

友人の家になぜあったかと言うと、友人のお父さんの会社の人が退職するときに、友人のお父さんにくれたものということだった。退職時に句集を渡すなんてさすがインテリは違うな~粋だな~なんて思ったものです。でも、特に読んでいないということだったので私が欲しいと言ったのですが、そんな記念の品を当然もらえるわけはなく、自分で本屋で買ったのでした。この句集はシリーズで何冊かあり、その後深みにはまった私は4冊目まで買うことになったのでした・・・。

山頭火の句の好きなところは、山を本当に歩いた人でしか分からないような実感があるところと、さっぱり短く終わるところです。山頭火がどんな人だったのかについては良く知りません。なんだかいい家に生まれたけど酒飲みで托鉢をしながら放浪した??とか・・・?でも、句は好きです。少し上げますと、

雪へ雪ふるしづけさにをる

あるけば蕗のとう

ぬいてもぬいても草の執着をぬく

うつむいて石ころばかり

まことお彼岸入の彼岸花

生えて伸びて咲いている幸福

空へ若竹のなやみなし

ころり寝ころべば青空

病めば梅ぼしのあかさ

ここまでを来し水飲んで去る

わたしひとりの音させている

こころおちつけば水の音
 
あたたかい白い飯が在る

立ちどまると水音のする方へ道

やつと咲いて白い花だった

洗へば大根いよいよ白し

ひとりの火をつくる

やつぱり一人がよろしい雑草

やつぱり一人はさみしい枯草

一つあると蕗のとう二つ三つ

つるりとむげて葱の白さよ

どこでも死ねるからだで春風

寝床まで月を入れ寝るとする

ふるさとの水で腹がいっぱい
 
風が土手草すべりては目高の群を乱せり

魚は動かずれいろうの水あふれたり

まづしいくらしのいちじくうれてきた

水をよばれるすこし塩気あるうまし

ふたたびはわたらない橋のながいながい風

泊まるところがないどかりと暮れた

秋風あるいてもあるいても

朝湯のよろしさもくもくとして順番を待つ

ふまれてたんぽぽひらいてたんぽぽ

誰にも逢はない道がでこぼこ

水にそうていちにちだまってゆく

ひょいと芋が落ちていたので芋粥にする 

山頭火の句は、山のこと、水と食べ物のこと、そして一人ということをよんだ句が多い気がします。そこが好きなところかなあ。
これは私の勝手な想像ですが、もし自分が一人で山を歩いていたとしたら、やっぱり食べ物と水のことばっかり考えるかもしれません。誰にも逢わず、石ころだらけの道をうつむきながら、暑さや寒さにもうイヤになりながら、お腹がすいたとかのどが渇いたとかばっかり思うと思います。そしてたった一人で、景色や花を見てそれがきれいだと思ったりしても、それを分かち合える人はいないのです。それがとても寂しかったり、でも贅沢なような気持ちがするんじゃないでしょうか。
それに、大根て洗うとほんとに白いよな~とか、葱ってむくとほんとに白いな~とか、彼岸花ってほんとお彼岸に咲くな~とか、ふきのとうって一個あると周りにもあるよな~とか、そういう実感があるところが好きなんでしょうね。
またマニアックなことを書いてしまいました。誰も知らないようなことをたまに語りたくなってしまいます・・・。山頭火のことは普段の会話では絶対でないですからねえ・・・。

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